定点観測 鹿児島県・野田町から
15年を振り返って
松下 文雄
1
Fumio MATSUSHITA
1
1野田町立病院
pp.174
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209011
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野田町立病院に勤務して15年になる.この間,試行錯誤を繰り返しながら,どうやら近代的病院への脱皮ができつつある.ここで一応過去を振り返ってみるのも,また意義があるものと思う.
外科医として手術に対するある程度の自信ができ,また消化器診断のためのX線検査,内視鏡検査を四十の手習いで覚えたところで,独力で消化器癌の早期発見,手術,更にその後のフォローアップ,社会復帰と,一貫した治療を夢みて,15年間住みなれた水俣市立病院を巣立ち,当院に赴任したのが43歳の昭和47年5月であった.まず住民の理解を得ることが第1と考え,議会に出席し,着任の挨拶と同時に,胃癌の早期発見が終生のテーマであることを力説した.次いで開業医に対し,内視鏡検査に主力を置いた診療であることを説明し,理解を求め,両者の関係の円滑化を図った.
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