定点観測 鹿児島県・野田町から
15年を振り返って(2)—当院における消化管癌診断・治療の現況と今後の展望
松下 文雄
1
Fumio MATSUSHITA
1
1野田町立病院
pp.413
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209063
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昭和51年中途で,再びひとり勤務となった.紹介をうけて鹿児島大学第1外科に西教授(現癌研究会付属病院副院長)を訪ね援助をお願いしたところ,快くお引き受けいただき,昭和52年からパート派遣となり,また教授みずからの手術を親しくご指導を受ける機会を得て,胃癌の根治手術に新しい目を開くことができたのは何よりの収穫であった.内視鏡の改善により,昭和54年頃から当院では胃X線検査より胃内視鏡検査数が多くなり,年を追うに従いこの傾向は顕著になってきている.X線検査はここ5〜6年間,平均1,200例前後であるが,内視鏡検査は5年前の約2倍の3,000例に達している.この実績から昭和58年よりパートをやめて,内視鏡検査のトレーニングを兼ねて6か月ごとの常勤となって現在に至っている.
昭和56年には内科にK先生の就任を得た.循環器を中心に,内科一般の診療を担当してもらうようになり,小生は消化器疾患の診断,治療を主とした外科の分野に全力を注ぐことができるようになった.K先生は懇切丁寧な診察で,住民の信頼を得て,患者は増加の一途をたどり,ペースメーカーの植え込みも行っている.また全身麻酔の管理維持についても勉強し,手術の際の全身麻酔を担当してもらっている.
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