提言
39年を振り返って
玉垣 幹子
1
Mikiko Tamagaki
1
1元 神奈川リハビリテーション病院
pp.922-923
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203087
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作業療法士として変わるべきこと,変わらないこと
私はリハ病院の作業療法士として39年間臨床に携わった.39年という時間の中で作業療法を取り巻く状況や作業療法自体が大きく変化してきたと感じる.そんな中で作業療法士はどう変わっていくべきなのか,そして変わってはいけないことは何だろうか?
昔と違い今はたくさんの講習会があり,新しい評価法や治療手技・機器も多岐にわたるようになった.治療時間の制限が大きくなっていく中で成果を出すためには,新しいものを積極的に受け入れてその特徴を理解し,従来のものと合わせて適切に選択していけるようになっていくことが必要だと考える.ただ対象者と向き合ったときに,相手の身体や認知機能,心の状態を自分自身の感覚で受け止め考えるということは,どんな評価表を埋めることより大切だと思う.福祉用具や自助具は多種多様なものが市販されるようになった.作業療法士が作製するよりも効率的で再現性があり,積極的に利用していきたい.しかしそこに何らかの工夫をすることで,もう少し機能が促通されるのではないか,使用感がよいのではないか,といった視点をもつこと,そして家族等,周囲の人が簡単に行える工夫を伝えることまでを考えてみる必要がある.
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