病院運営の変化 ここ10年余病院はどう変わったか
病院栄養部門の変化
太田 順子
1
Junko OOTA
1
1金沢大学医学部附属病院医事課給食係
pp.607-610
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208877
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「よい食事」が,病気の治癒を促したり,病態を改善するのに欠かせないものであるのは言うまでもないことで,歴史の古い病院の中にも,創立当初からこのことに力を入れてきたところは少なくない.たまたま金沢大学医学部附属病院は,大正15年に既に,今日全国の病院の栄養部門が目指しているような患者の栄養管理,つまり病態に合わせた食事の提供や栄養指導や摂取栄養量の実測を,診療科と同格の「栄養部」を設けて,日本で最初に行った病院である.その創始者である当時の学長,須藤憲三先生(医化学)の業績を忍んで,当時,先生のもとで研究生活を送られた現全国栄養士養成施設副会長・田中静雄先生と,金沢大学医学部教授・竹田亮祐先生が,Diabetes Journal (1(2):1978)誌上でされている対談からは,今日では類を見ないきめ細かい栄養管理の一端を伺うことができる.
時代が変わり,合理化による新しい技術やシステムが導入されるに伴い,「よい食事」を目指すという目標には変わりなくても,本質的に個人的なものであり,保守的なものである食事の問題に対し,常に大なり小なりの未解決の部分が残ったり,新たな問題が生じている.
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