ケースレポート
高齢化社会における医療と福祉のあり方を求めて—なにわ病院医療社会事業部の活動を中心に
蔭山 充
1
,
沖津 邦弘
2
Mitsuru KAGEYAMA
1
,
Kunihiro OKITSU
2
1なにわ病院
2なにわ病院医療社会事業部
pp.611-614
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208878
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昭和60年1月に社会保障制度審議会が建議した「老人福祉のあり方」によって,老人問題に関する政策方向として保健,医療,福祉を統合した具体策の緊要性が提言された.
人口の高齢化にからんで欧米でも,老人の保健,医療,福祉政策が研究され,種々の試みがなされている.わが国の場合,急速な高齢化社会への進行に伴って75歳以上の後期高齢人口が増加し,老人の患者が激増し,それによって医療費の増大,また,要援護,要介護老人の増加の一方に,家庭介護能力の低下等が顕著となっている.そして,これを支援すべき公的な在宅サービスが立ち遅れていることもあって,建議は,社会的責任として緊急に対処すべき問題であると指摘している.これを受けて大きく表面化したのがいわゆる中間施設設置を含めた地域医療,地域福祉重視の政策である.高齢化社会を迎えるなかでは,病院にも当然のこととしてこれに対応した医療活動が必要となっているのである.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.