建築と設備 第3回
長崎県立大村病院
吉浦 一成
1
,
河口 豊
2
Issei YOSHIURA
1
,
Yutaka KAWAGUCHI
2
1長崎県立大村病院
2病院管理研究所
pp.601-606
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208876
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新病院—理想の実現にむけて
■狭隘となった旧病院
大村市近郊の交通の便のよい位置に,旧県立東浦病院はあった.住宅地の一角で隣接して国立総合病院があるという立地条件に恵まれた敷地である(図1).しかし,昭和28年開設以来の逐次増床のため,もとより平坦地の少ない敷地はますます狭隘となった(44.4m2/床),また建物も,平面の構造が陳旧化するとともに多くが木造であったため老朽化した.防災上の問題も起こり,何よりも居住環境が極めて悪くなった(17.2m2/床).
"精神医療では,建物自体が医療に大きな影響を及ぼす"と言われているが,殊に基本を病者の権利擁護へと変化させつつある近代精神医療の要望に対応していくことは,この状態では困難となった.そこで県立5病院再編整備の一環として,改築計画がたてられた.
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