病院の地域活動
国立長崎中央病院(大村市)
岩崎 栄
1
1国立長崎中央病院内科・臨床研修総括
pp.134-136
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205785
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病院の積極的医療への脱皮とプライマリー・ケア■
西九州最大の規模を有する国立長崎中央病院(総定床685床,うち一般630床,精神55床,臨床研修医24名を含む医師数80名)が,その地域の医療活動に参加するのは,ごく当然のことであり,医療に対するニードとデマンドからも自明の理といえる.そして,今日の病院の機能が病人のみを対象として,彼らの来診を待つがごとき消極的診療から脱皮し,地域の中へ自らを参加させる積極的医療形態へ変革しようとしていることも事実である.
しかも現状においては,ようやく人口に膾炙され始めたプライマリー・ケアが,従来から医療には求められてきたにもかかわらず,今日の医学教育は依然として,あまりに細分化し,専門化された極端な専門医志向型の医学生を誕生させている.このような医学の動向の中で筆者の病院ではプライマリー・ケア教育への学習・実践を通して,将来への地域医療への積極的推進役のかなめともなるべき若き医学徒が育成されようとしている.
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