増刊号 日本の病院建築
専門病院・保健健康関連施設などの建築
長崎県立大村病院
吉浦 一成
1
,
河口 豊
2
Issei YOSHIURA
1
,
Yutaka KAWAGUCIH
2
1長崎県立大村病院
2厚生省医療・病院管理研究所
pp.166-171
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901098
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理想の実現に向げて
狭隘となった旧病院
大村市近郊の交通の便のよい位置に,旧県立東浦病院はあった.住宅地の一角で隣接して国立総合病院があるという立地条件に恵まれた敷地である(図1).しかし,昭和28年開設以来の逐次増床のため,もとより平坦地の少ない敷地はますます狭隘となった(44.4m2/床).また建物も,平面の構造が陳旧化するとともに多くが木造であったため老朽化した.防災上の問題も起こり,何よりも居住環境が極めて悪くなった(17.2m2/床).
“精神医療では,建物自体が医療に人きな影響を及ぼす”といわれているが,ことに基本を病者の権利擁護へと変化させつつある近代精神医療の要望に対応していくには,この状態では困難となった.そこで県立5病院再編整備の一環として,改築計画がたてられた.
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