連載 医者も知りたい【医者のはなし】・26
大村益次郎(1824-1869)
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1木村専太郎クリニック
pp.1026-1030
発行日 2007年10月25日
Published Date 2007/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101152
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まえがき
その昔,司馬遼太郎が明治維新のときに官軍側で大活躍した医師・大村益次郎のことを書いた「花神」を読んだことがある.彼は長州出身の蘭医学者であったが,ときの流れで最後は西郷隆盛とともに,倒幕の総帥の1人になり,陸軍最高責任者として活躍した.今回9月の大阪での学会のとき,明治2年に益次郎が京都で怪我をして運ばれた大坂仮病院跡,恩師緒方洪庵のお墓の横に眠る益次郎の足塚,益次郎の遺言でできた大阪府病院(大阪大学医学部の前身)と陸軍医学校跡を訪ねた.花神とは中国の言葉で「花咲爺」のことである.明治維新の時代に突如現れ,維新を成功させ(枯れ木に花を咲かせ),そして去っていった大村益次郎を表現するのに,最適の言葉と司馬遼太郎が使った.
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