ケーススタディ・人の管理
看護婦と対立する放射線技師
pp.692-693
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208381
- 有料閲覧
- 文献概要
〔事例〕
放射線技師のAは決められた仕事は落ち度なく処理できるが,働くことに意欲的ではなく,できるだけ楽をして一日を終えようという態度がみられ,勤務時間内でも仕事のない時は部屋の片隅で雑誌や競馬新聞を読んで時間を費やしている.患者が撮影できる状態になるまで腰をあげようとはせず,漫画に目を通していることもある.患者が指示通りに動かないと,患者の前で「準備が悪い」等々円滑に撮影ができない苦情を並べ立てたりして,A自身の感情を直接患者に向けることが多い.
このような不愉快な場面に居合わせた看護婦とAとの間で時折批判的やりとりがなされるが,大抵の場合感情的なけんかになってしまう.Aとのトラブルを嫌って看護婦も次第にAに注意をしなくなってきているし,Aの態度も変化をしていない.Aの同僚にも注意をしてほしいと呼びかけるが,「業務に支障があるわけではないし,Aの性格だから仕方がない」という考えが強く注意をしたがらない.Aの上司は「問題が起これば手を打つ」という姿勢であり,現状に対して積極的な対処はなされていない.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.