特集 マスコミュニケーションと公衆衛生
マスコミとのつきあい方
櫃本 真聿
1
1愛媛県保健福祉部健康増進課
pp.633-636
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902360
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愛媛県のマスコミ対応は最近まで,一部の新聞社に対する取材拒否や広告依頼規制など,他県では考えられないほど,互いの緊張関係が続いてきた.マスコミからの取材があれば,その対応内容よりも,上司をはじめ知事までの了解を求める作業のほうが気になる状況であった.知事に前もって報告していない内容がいきなり報道された場合には,その内容が県政批判と無関係であっても,事後対応に1日中走り回るありさまだった.そのため,取材を受けた多くの者が消極的にならざるを得ない状況で,“パブリシティ活動”は極めて低調と言わざるを得なかった.筆者としては,保健所時代に,マスコミにずいぶん協力していただいた経験があり,その気持ちを持ちながら県庁に飛び込んだものだから,ずいぶん上司を冷や冷やさせたものだ.マスコミとの距離を置くことについてしばしば指導されたものの,その時は多少気を使っても,すぐに思い直して,マスコミ関係者とのつき合いを深めてきた.ところが現知事になってからは,時代の流れもあるだろうが,これまでを取り戻すかのように,知事自らも取材を積極的に受け入れ,職員に対しても,思い切ったマスコミ対応が期待されるようになつた.わが水を得たりの感で,県職員としては,最もマスコミとの接点が多いことを自負しているところである.
このヘルスプロモーション時代にマスコミとのつき合い方について特集が組まれることは意義深い.
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