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マスコミと眼科医
桐沢 長徳
1
1東北大
pp.1262-1263
発行日 1970年10月15日
Published Date 1970/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204385
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マスコミがこのごろのように盛んになるとその影響も計りしれないものがある。「白い巨塔」のような小説で医学部のことを書かれると,モデルの真偽は別として,一般の大衆は小説であることを忘れて,いかにもすべての医学部の内部がそのようなものと思いがちになる。悪役はいかにも憎々しげに,善玉は超俗的に崇高な姿に書くほど,読者の興味は高まるので,小説である以上,このことは当然とも言えるが,読む方は小説であることを忘れないでほしいものである。
仙台藩の原田甲斐が,作者によつて逆臣になつたり,忠臣になつたりするのも小説の面白さといえばいえようが,地下の本人にとつては,どちらにせよ迷惑(?)なことであろう。
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