病院と地域活動
川崎幸病院地域保健部の活動
杉山 孝博
1
Takahiro SUGIYAMA
1
1医療法人財団石心会川崎幸病院地域保健部
pp.351-355
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208292
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■川崎幸病院の医療理念と地域保健部の発足
国鉄川崎駅より内陸側に位置する川崎市幸区は,人口約14万人の住宅工場地域である.京浜工業地帯に働く人々のベッドタウンでもあるため,人口の移動は激しく,年間総変化率は22.4%(昭和54年)にも上っている.
川崎幸病院は,昭和48年6月,「医療を地域住民の手に!」をスローガンとして,医療法人財団石心会によって設立された.石心会の設立趣意書には,「医療の本質は,病める人間に対する治療であり,病いとのたたかいの主役である患者自身の良き協力者であるという医療の本源的立場に立つ」と述べられている.つまり,治療とは,医療スタッフと患者との協同作業であり,医療側の役割は患者が治療参加できるように様々な条件づくりを担当するものである,とも言い換えることができよう.
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