病院と地域活動 座談会
病院の地域活動での医療ソーシャルワーカーの働き
川村 佐和子
1
,
斎田 みづえ
2
,
田中 幸吉
3
,
宮下 ひろみ
4
,
杉山 孝博
5
Sawako KAWAMURA
1
,
Mizue SAIDA
2
,
Kohkichi TANAKA
3
,
Hiromi MIYASHITA
4
,
Takahiro SUGIYAMA
5
1東京都立神経病院医療相談室
2医療法人同仁会耳原鳳病院医療福祉相談室
3川崎市立井田病院医療保健部
4医療法人恵愛会茨戸病院地域医療部
5医療法人川崎幸病院地域保健部
pp.900-907
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208435
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杉山 現在,医療は成人病と慢性疾患の治療に比重が移っています.これらの疾患の特徴は,一つは根治的治療法がないために長期問,それもしばしば一生続く病気が多いこと,二つ目は急性期や増悪期を除くと,治療は日常生活を営む家庭や社会で行われること,三つ目は医療よりも経済的・家庭的・社会的問題により深刻になるケースが多いこと,四番目が医師・看護婦中心の医療から保健婦・栄養士・医療ソーシャルワーカー,更には保健所や福祉事務所などと協力するチーム医療が不可欠なこと,また老齢人口の増加に伴う患者の増加などが挙げられると思います.
このような状況のもとで,最近は,慢性疾患を対象とした在宅医療や訪問看護に積極的に取り組む医療機関が増えています.また,慢性疾患の医療を効果的に行うには,経済的,社会的問題へのアプローチは必須ですし,この問題に最もかかわる医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)への期待は,高まっていくと思います.
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