病院と地域活動
玉川病院リハビリテーション科の活動
長谷川 幹
1
,
田村 幸子
1
,
中村 恵子
1
,
福原 征子
1
,
小山 ぎん
1
,
皆川 晃慶
1
Miki HASEGAWA
1
,
Yukiko TAMURA
1
,
Keiko NAKAMURA
1
,
Seiko FUKUHARA
1
,
Gin KOYAMA
1
,
Akiyoshi MINAGAWA
1
1日産厚生会玉川病院リハビリテーション科
pp.145-148
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208237
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東京で発病した脳卒中患者は,近医に入院し,内科的治療を受ける.そして完治しないで後遺症が残った障害者の大多数は,「内科的治療は終わったから,あとはリハビリテーション専門病院のほうが良いでしょう」の一言で,居住地域から遠く離れた病院への転院を余儀なくされている.このとき,障害者自身の意志というより(失語症で意志を表明できない場合もあるが),家族の意志で,話が進んでいく傾向があり,本人にしてみれば勝手に転院させられたという印象はぬぐいきれない.そして遠隔地の病院へ入院すると,家族がなかなか面会に来れなくて,孤立化することが多く,やっと来たとしても,週末のため主治医などに会えず,現在の状態と今後の方針についての話し合いができない.そのため本人と家族との調整が困難となり,更に退院後の病院と障害者及び家族のフォローアップも距離的な問題で困難となっているのが実情であろう.
更に,都内にはリハビリテーション病院が少ない上に,入院基準に様々な制限を設けていることが多く,脳卒中障害者への対応を狭めていることも,遠隔地病院への転院を余儀なくさせる状況に追い込む要因である.
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