小特集 医用機器の安全性・信頼性
医療における医用機器の役割と問題点
マイクロコンピュータとME機器
菊地 眞
1
Makoto KIKUCHI
1
1防衛医科大学校医用電子工学
pp.873-875
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208135
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医療の場でマイクロコンピュータ(以下,マイコンと略称)が話題になり始めてから早数年が経過する.マイコンの誕生は衆知のごとく,1971年米国のインテル社が4ビットのマイクロプロセッサ4004を発表したことに始まる.その後1975年には,米国の電卓メーカ・ミッツ社がインテル社製の8ビット・マイクロプロセッサ8080を使用してALTAIR8800なる超ミニコンピュータを発表したが,これが真の意味のコンピュータとして世に認められるようになったのは,当時18歳の学生であったビル・ゲイツが大型コンピュータ用に開発されたBASIC言語でALTAIR8800を動かすようにしたからである.1977年にはアップル社のAPPLE II,コモドール社のPET,ダンディ・ラジオ・ジャック社のTRS-80などが続々と登場し,1979年には我が国でもNEC社のPC−8000シリーズが発表されている.
現状ではCPU(演算機能をつかさどる本体部分)とキーボードなどの入力装置,大量のメモリをもつ記憶装置,ブラウン管ディスプレイなどの出力装置を一体にまとめたマイコン(これをパソコン=パーソナルコンピュータと称する)(写真1)が主として脚光を浴びているが,マイコンはその誕生の歴史的経緯からして,従来の大型計算機が持ち合わせていなかった小型・廉価で高性能な制御装置という優れた一面を持っている.したがって今後はその両面から医療の場でますます多用されることになるであろう.
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