特集 看護夜勤体制の変革
看護夜勤体制変革の必要性と意義
石原 信吾
1
Shingo ISHIHARA
1
1厚生省病院管理研究所
pp.381-384
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208009
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まえがき■
夜勤は看護にとって永遠の宿命であるという.病気に昼夜はない.とすれば病人を看とる看護の働きにも昼夜があるはずはない.他方,人間の身体機能は一般に昼働くのには都合がよく,夜働く場合には大きな無理がかかるようにできている.そのために,「昼働いて夜寝る」という生活パターンが定着しているのであるが,夜勤はこれに逆行するものであるために,そこに必然的に身体的苦痛,生理的障害,社会生活上の不都合等の各種の問題が起こってくる.したがって夜勤は廃止できるものなら廃止したほうがよいのであるが,他の業務はとにかく看護に限ってはそれができない.しかも専門機関として病人を預る以上,そこでは当然万全を期さなければならない.そうなるとジレンマは更に倍加する.
こうしたジレンマが解決されなければならないのは言うまでもない.それを果たすのが管理の働きなのである.一般にある目的を達成するためにはそれに必要な条件が十分に整っていなければならない.しかし,それが期待できる場合は少ない.これを「条件に制約がある」という.この条件の制約の中で,考えられるだけの代替案を工夫考案し,その中の最適解を選択適用して,目的の最大達成を図っていこうとするのが管理の働きである.
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