人
我が国の精神病院への指導性を期待 国立精神衛生研究所所長 土居健郎氏
諸橋 芳夫
1,2
1日本病院会
2旭中央病院
pp.380
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208008
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東大教授を定年退職し,ほっとして国際基督教大学教授の職を楽しんでいると言っていた級友土居健郎君より,今年1月,国立精神衛生研究所の所長になった旨の挨拶状をいただいた.その1〜2か月前に家族ぐるみで夕食を共にしたが,その折にはそんな話はいっさいしなかった.いかにも彼らしい仕草である.
立春過ぎ,彼を所長室に訪ねた.応接室兼会議室には内村祐之先生を始め,歴代の所長先生の写真が掲げてあった.昭和27年に設置された国立精神衛生研究所は,厚生省設置法により精神衛生部他7部をもち,精神衛生に関する調査研究及び精神衛生技術者の研修を司る機関とする,とある.全職員42名で構成されている.その昔,呉秀三先生は精神病者を診て,この患者がこの病気にかかったこと,更にまたこの患者が日本に生まれたことを二重の不幸として表現され,我が国の精神障害者対策の遅れを嘆かれたと聞くが,現在においてはよほど改善されてきている.
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