特集 国立保健医療科学院への期待・提言
保健所長としての期待
川元 孝久
1,2
1鹿児島県隼人保健所
2前全国保健所長会
pp.157-159
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902684
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人は共同生活をするために,家族をもち,地域に集まり,地域社会をつくり,ひいては国を形成している.このために国は,国民が生きるための各種の弊害を取り除くべく,努力をしている.これが国の責務としての行政で,国民の健康を守る行政が衛生行政である.その国民(公衆,地域住民)を「守る」衛生行政を地域で実施する機関が保健所であり,その活動を保健所活動といい,公衆衛生活動ともいっている.
ところで,急激な人口の高齢化および出生率の低下,疾病構造(慢性疾患の増加など)の変化,住民ニーズの多様化(豊かな生活を求め),生活環境問題への住民意識の高まり(廃棄物など)などにより,保健所法が抜本改正され,平成9年に「地域保健法」(以下,法)として全面施行された.この法は新たな地域保健の目指すべき方向を,1)市町村の役割重視,2)保健所の機能強化,3)保健と医療と福祉の連携,4)マンパワーの確保と充実に求め,「ゆとり,安心,多様性のある国民生活」を目標とした.
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