老人医療と福祉の課題
在宅ケア・施設ケアの接点としての「家族の力」
中島 紀恵子
1
1千葉大学看護学部基礎保健学
pp.991-995
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207889
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はじめに■
どんな理想的な家族でも,家族成員の障害あるいはもっと一般的な疾病によって,これまでの生活が一時的または長期的な危機に見舞われる可能性を秘めている.
特に高齢化社会の到来と言われている今日,障害や疾病に起因して,日常生活が困難なまま,家族生活の中に封じ込められ,家族全体が文字通り社会的なハンディキャップを背負った形で生きていかなければならない人々の増加が予測されている.このことは,昭和26年の身体障害者数512,000人(人口1,000:6.05人)が,昭和55年では1,977,000人(人口1,000:23.8人)と,その絶対数でも人口比でも約4倍の増加があり,そのうち54%が60歳以上で占められるという実態からも明らかである.
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