病院精神医療の展開
精神病院における医師—看護職関係—看護職の自主性をめぐって
宗像 恒次
1
1国立精神衛生研究所医療社会学
pp.980-982
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207612
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精神病院に限らず,日ごろ看護職が医師に持つイメージには,特定のものがある.精神病院の看護職研修1)の際,看護職が医師に対して持つマイナスのイメージを聞いて取ると次のようなものがあった.「いばっている」,「頼りない」,「自分が一番偉いと思っている」,「きちっとした指示をくれない」,「医師らしくない医師がいる」,「患者のことがよく分かっていない」等々.もちろん,このようなイメージを一般病院の看護職も共通して持っているだろう.
ところで,このようなマイナスのイメージの中には,看護職自身が医師とのかかわりにおいて,心理的に防衛せざるを得ない自己葛藤をみることができる.このような看護職の心理的経験や医師の心理的経験を素材にして,主として看護職の側から医師と看護職の関係をとらえ,看護職自身の主体性の中で,その関係の改善を導く糸を明らかにしてみたい.
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