病院管理の工夫
薬剤科における注射薬混合作業
富山 博和
1
1長野県厚生連篠ノ井病院薬剤科
pp.70-71
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207364
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第一線医療機関における職員はすべて患者中心にあるべきであるという理念のもとで,当院では各部門が従来の慣習を打破し,研鑚と努力を重ねながら医師を中心としたチーム医療の中に技術集積し,患者中心の医療を行うべく実践に移しつつある.この間,皆で患者サービスに直接,間接に徹しようという提唱が病院側よりなされ,必然的にベッドサイド看護の重要性が再認識された.当院の中央管理システムのもとで看護業務の分析がなされ,その結果専門的な看護業務と更には看護助手の協力を得て行い得る看護業務の合計は60%であり,その他の業務が40%もあることが判明した.そこで他部門でもでき得る業務は各部門が分担,協力し,看護婦はより多くの時間をベッドサイドで看護に専念すると同時に看護技術の高度化を計ることになった.
このような当院の基本的な考え方のもとで,薬剤科では今まで看護婦に委ねていた注射薬の混合作業を分担することになった.このことは薬剤師にとっても,従来注射薬の配合に関して受動的な立場で関与して来たものが,薬剤学的な基礎知識をもとにして自らの手で混合調製することにより,今までよりも一段と専門性を発揮できるとともに病院薬剤師としての機能拡大の可能性にもつながることであった.
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