特集 動きはじめた外来
外来看護サービスの実態とその評価の検討—厚生科学研究から
島田 陽子
1
,
井部 俊子
2
1日本看護協会中央ナースセンター
2聖路加国際病院
pp.810-814
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905165
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はじめに
近年の疾病構造の変化や医療の高度化,さらには少子・高齢化社会の到来といった環境の変化に伴い,我が国の外来看護の業務はますます多岐にわたるものとなってきた.入院期間短縮も推進されており,在宅ケアの必要度が増し,医療依存度が高い在宅の患者への相談・訪問看護業務も急増してきた.さらにこうした業務に伴い,地域の保健婦やソーシャルワーカー等との連携業務も重要になってきている.また,医療技術の発展による検査の種類や件数の増加により,外来で行なう説明業務も増えている.
こうした変化に直面している看護婦たちは,外来看護の重要性を認識しつつある.しかし,外来における患者のケアニーズがどのようなものであるか,また実際にどのような看護が提供されているのかは明らかでない.なぜなら,外来看護の実態がどのようになっているのか,あるいは本質はどのようなものかを深く追究した研究はきわめて少ないからである.さらには,変革期を迎えている医療体制・制度の中で,外来機能の位置づけやあるべき姿は模索されているところである.
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