小特集 クリニカル・ファーマシィの導入
クリニカル・ファーマシィとは
斎藤 太郎
1
1関東逓信病院薬剤科
pp.301
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207122
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患者志向patient-orientedの薬学
クリニカル・ファーマシィ(Clinical pharmacy)といきなり言っても,何のことだか,皆目わからない方々が多いと思う.ここではまず,クリニカル・ファーマシィとは何か,を簡単に紹介しておきたい.
Clinical Pharmacology臨床薬理学Clinical Pathology臨床病理学Clinical Psychology臨床心理学Clinical Chemistry臨床化学Clinical Physiology臨床生理学Clinical Biochemistry臨床生化学などからも分かるように,クリニカル・ファーマシィは,我が国では臨床薬学と呼称されている.Clinic (臨床)は,今や"bed—床に臨む"の意を必ずしも持っていない.現今,clinicは<基礎>に対する<応用>の意,<動物>に対する<ヒト>の意,個に対する<集団>の意・逆に<集団>に対する<個>の意,<理論>に対する<実際>の意,<物>に対する<ヒト>とか,<死んだもの>に対する<生きたもの>などの意にアクセントを付けて表現したものである."臨床"なる語を"床に臨む—病床に臨む"と単純に語源的に理解することによって,多くの誤解を招いている.クリニカル・ファーマシィを"病棟薬学"などと解釈するのもこれに属し,誤りである.
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