いま民間病院は
福利・厚生制度の実際
重井 博
1
,
河原 浩三
2
,
大司 俊重郎
3
1重井病院
2馬込中央病院
3座間中央病院
pp.878-881
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207000
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労使のニードで次々と策定された制度を振返る
我が国での福利厚生は,元来は使用者が従業員に対して,家族主義的立場から恩恵的に行っていた制度で,特に零細・中小企業では近年までこうしたいわは封建的な殻から抜け切らない発想が続いたものである.民間の病院は更に2歩も3歩も遅れをとって来たことは否定できないが,ここ十数年来ようやく近代化の波に乗って次第に充実し,最近では賃金のカバー,職員の定着など労使にとって実利的な面が強調されて来たようである.しかし反面では職場でのよりよい人間関係と緊密なコミュニケーションのため,あるいは潤滑油として,更には心の豊かな人間味のある医療人を養成する制度としても再認識されるようになった.当院の開院以来の20年間を振り返ってみても,ご多聞にもれず試行錯誤を繰返し,ここ数年に至ってようやく以下のような制皮を確立することができたわけで,まだまだ先進の諸病院には及びもつかないが,あえて紹介してみる.
ちなみに当院は昭和30年に岡山県倉敷市に診療所として発足し,昭和33年に医療法人の病院を創立.その後次第に発展して,現在280床,職員数280名の内科外科病院として地域医療の一端を担っている.
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