徹底分析シリーズ 麻酔科医と外科医
コラム:申し送りシート拝見
中澤 春政
1
Harumasa NAKAZAWA
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.780-783
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203005
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手術中に執刀医が交代することはほとんどない(上級医が“お取り上げ”することはあるが)。そして,術後管理も執刀医がそのまま行うことが多いだろう。一方,麻酔科医は麻酔管理中でも交代することが多く,また術中管理を担当した麻酔科医が術後管理を継続して行うことは少ない。昨今の働き方改革から,「どんなに長時間手術であろうと一人の麻酔科医で術中管理を完遂すべきだ」とはならないことは明らかである。しかし,麻酔管理の引継ぎにおいて情報伝達が不十分だと思わぬ事故につながってしまう可能性がある。外科医からの不信をまねかぬためにも,術中の引継ぎや術後ICUへの患者入室の際の申し送りなどは構造化したい。情報過多になれば余計な時間を要するし,必要な情報が伝達されなければ意味がない。「申し送りシート」の存在は,麻酔科が引継ぎをきちんと行っている“証拠”にもなる。どんな「シート」を作成するかは,施設の特性に応じる必要があるだろう。そこで各施設で使用されている申し送りシートをいくつか紹介する。
図1は,何よりも見やすく,必要な情報を瞬時に把握できる点が素晴らしい。筆者としては,麻酔管理中の申し送りシートはこれがベスト。
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