特集 病院運営の経験と分析
新病院の一年
降矢 震
1
1千葉大学付属病院臨床検査部
pp.138-141
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206778
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千葉大学の新病院が竣工したのは昭和52年末,53年1月14日に開院式,2月末に引越完了して,3月1日から診療を開始した.大震災の数倍の震度に耐えるといわれた重厚な建物とはいえ,40年の歳月を経て老朽化した暗い所からすべてが新しく明るい新病院に移った当初は,皆新入生徒のように希望と好奇心で病院をみていた,しばらくして慣れてくるとそれぞれの思うにまかせぬ点をあれこれともらすようになる.うまくゆかぬというのは本人の未熟のためなのではないだろうか.ある人たちには不備でも,ほかの人たちには都合がよいこともあるのである.そのような不平に共通して言えることはそれではどうしたらよいかという解答がないことである.更に困ったことには具合が悪いからといってやり直して比較することができないことが多い.わずか1年たらずで正しい評価をするには時期尚早なのである.
考えてみれば多くの人の話からまとまった結論を引き出すことはかえって難しい.乏しいながら自分に直結したことを書くほかない.したがってこれは病院の多数意見ではなく,検査部長という狭い視野の私見に過ぎぬことをご了承いただきたい.
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