グラフ
医療,生活,成長の場として—国立療養所西多賀病院
pp.101-106
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206767
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戦後30年間,主に結核,らいなど長期療養を必要とする疾患の治療に当たってきた国立療養所が,疾病構造の変化,特に結核の減少に伴い,様々な転換を迫られている.ここに紹介する国療西多賀病院は,30年代後半の結核患者の減少に対応し,逸早く昭和39年より進行性筋ジストロフィー症,同41年より.重症心身障害児(重心)病床を設け,小児慢性疾患専門病院に転換を遂げ,すでに十年余の歴史を持つ病院である.話は前後するが,現在の国療西多賀病院は、昭和36年,国立西多賀療養所と国立玉浦療養所の統合によって誕生した.統合以前,西多賀は肺結核.また玉浦は骨結核を主としていたため,整形外科医が多く,その骨疾患治療の経験を生かして小児慢性運動器疾患の道を選んできた.現在でも骨疾患専門病院として,整形外科手術件数は年間350にも及び,側彎症については全国でも数少ない施設の一つになっている.
病床数は一般(小児科一含む)260,筋ジス160,重心80,結核40の計540床.筋ジス・重心病棟は新設当時小児を対象として受け入れたが,ほとんど退院者はなく,病院で成人を迎え,児童と成人の比率は2対1の構成となっている.
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