老人医療と福祉の課題
老人病院に求められる医療と看護レベル
開田 敏雄
pp.354-358
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207724
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与えられたテーマの「老人病院」とは,という疑問がまず生じた.医療法では病院は,「総合病院」と「病院」の2種に分けられているのみであり,社会通念上も「外科病院」「産婦人科病院」等それぞれの専門科名を冠した病院は一般に用いられているが,「老人病」は専門科名として用いられていないので,公にも一般的にも「老人病院」というものはあり得ないもので,ごく一部の人たちが老人の患者の多い病院,特に入院患者に老人の多い病院を指して言っている俗称にまでも至らない言葉とより思えない.不特定多数の人たちの眼にふれる雑誌というものに取り上げる言葉ではないと考えられる.
しかも,老人という言葉の内容が,国では70歳以上の人を指し,地方公共団体の中では65歳以上の人たちを「老人福祉」の対象とするところが増加しつつある現在,これまた,一定していない有様である.
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