特集 病院と経営主体
問い直される設立目的
国立病院
尾村 偉久
1
1国立小児病院
pp.31-34
発行日 1978年1月1日
Published Date 1978/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206416
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昭和22年終戦とともに,国内にあった146か所の陸,海軍病院が,一斉に厚生省直轄の国立病院として転換創設され,その目的を「一般国民のための医療を行い,医療の向上に努める」こととした.これは,わが国の医療体系進展のうえで画期的なことであったと思う.もちろんそれまでにも,国営の医療機関としては,医学教育,研究を目的とする国立医学校附属病院,軍人軍属あるいは所属の職域人を対象とする各省立病院,さらに公立の医療機関としては,それぞれの地域住民のために設置された自治体立(県,市,町,村)病院があった.しかし,広く一般国民のための国営医療機関として国が直接設置したのは,国立病院を以て嚆矢とするものであった.まず最初に,創設以来の国立病院の推移と国民医療との係わり合いについて述べてみたい.
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