人
抜群の経営手腕で静岡日赤を盛り立てて20年静岡赤十字病院院長 細川 一郎氏
渡辺 進
1
1成田赤十字病院
pp.16
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206392
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君は,私にとって文字通りの畏友である.年齢は私の方がだいぶ上だがほとんど時を同じうして同僚たるの栄を担い,それ以来その識見といい,経営の実力といい心から兄事して今日に至っている.このような友人を有することがまた私の誇りとも言えるのである.
秀峰に囲まれた信州の出身.上田中学を経て慶応大学医学部を昭和11年に卒業された.自ら言われるように福翁独立自尊の理念を親しく体得されたことが,後年のご経歴と,故郷の山河と相俟って君の玲瓏たる人格の形成に役立ったものと思われる.内科教室では西野,大森,平井の3人の名教授の薫陶を受けられ,次で北支の戦塵を数年にわたって体験された.戦後は,引佐(いなさ)赤十字病院長から,須賀川の公立岩瀬病院長たること数年,その経営手腕を認められて昭和32年現在の静岡赤十字病院の2代目院長に就任されたのである,同病院は東海地方の名門であるが,当時その経営はほとんど危殆に瀕しているとでも形容できる状態であった.
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