人
院長生活35年,病院は今年50周年 諏訪赤十字病院長 佐藤元一郎氏
渡辺 進
1
1成田赤十字病院
pp.18
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204820
- 有料閲覧
- 文献概要
まことに若々しい先生である.今回,文化の日に,勲三等の叙勲の栄をになわれたわけであるが,この叙勲にはそれにふさわしいご功績と,そのお年までご健康であられたという二重のおめでたが伴わなければならないはずである.先生のこ端麗な,みずみずしいご容姿には,もうご叙勲をお受けになるお年であろうかということを真に疑わせるに足る若さがある.お心もおからだもまさに青年で,それが私ども後進一同からも親しい兄貴として慕われる一面でもある.
しかし先生の真骨頂はそんなことでは決してない.山形県置賜郡に生まれ,旧制二高から東大医学部をご卒業後,島薗内科にて十分研鑚を積まれ,昭和8年水蒼き諏訪湖のほとり,諏訪赤十字病院に赴任され,同13年病院長就任.以来病院長たること35年,戦中戦後の未曽有の困苦を,その赤十字に対する至誠と情熱によって乗り切られ,現在500床を擁する大病院を完成されたのである.その病院も今般全く新装なり,先生のお人柄は周辺を薫染して止まるところがない.現在,私ども94の赤十字病院病院長連盟の副会長.叙勲に先だっての総会でも,現在の病院の苦境に処すべく持ち前の熱弁をふるって統制の妙を見せられた.これは全く先生の清廉さと無私の情熱が私どもを魅するからである.心からの祝意とともに今後いつまでもいままでのようにお若くあれと念願してやまない.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.