時評
病院の広告制限について—病院の選択は患者の責任である
守屋 博
1
1順天堂大学
pp.46
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206375
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われわれは人世の長い航海において,いつ,病気という暴風に見舞われるかわからない.そのときに安全に避難できる港があることは,絶対に必要である.病気に対する港は病院であり世話をしてくれるのは医師である.
海岸には適当に港が配置され,その施設は公示されているので,船は適当な港を選んで避難することができる.病院は必ずしも公的でなく,多くは私企業的であるので,適切に配置されているとは限らない.一番困るのは病院の設備能力が公示されていないことである.患者はわずかに得られた情報によって,医療機関を選ぶのであるが,その選択は必ずしも適切とはいえない.不適当な病院や医師を選んだことによって病気が治らないばかりか,悪くなることさえある."医師を選ぶのも寿命のうち"といわれている.
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