一頁評論
室料差額を解消するには
尾口 平吉
1
1自治体病院協議会
pp.64
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206070
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室料差額,付添看護の問題は歯科差額問題とともに,国民が適正な医療を受けるための大きい障害となってきている.社会保険制度,公費負担制度等医療保障体制が整備されてきているなかにおいて,最も重点的に保障されなければならない重い病気にかかって入院加療を要するときに,耐え難いような経済的負担を強要されることは国民にとっては,「何のために毎月大きい保険料を支払っているのか」「金のないものは医療から見放されるのか」「家族の一人が重い病気になれば一家は破滅するのではないか」という不平不満や不安などをますます大きくするものである.このような声に政府は病院に対し一方的に差額病床の規制,基準看護採用病院の付添禁止等の指導を行っているがその効果はほとんど上がっていない.
なぜか,ずばり言って病院は室料差額を徴収しなければ生きてゆけないからであり,付添看護なしに病院で責任ある看護を行おうとすれば,大きい赤字を生ずることになるからである.
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