小特集 POSは広がる
「考える医師」を育てる方法—川崎医科大学病院
柴田 進
1
1川崎医科大学内科
pp.24-26
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205817
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診療が楽しみになった私
いま,私は,ごく親しくしている2人の若者を持っている.1人はY君という川崎医大血液内科の医師であり,あとの1人は,最近先生と呼びかけられるようになってはずかしいとこぼしているR子さんである.私の見るところ,2人とも眼から鼻へぬける頭脳にめぐまれた秀才や才媛でない.ただ働くことにかけては,骨身を惜まずやっていける健康な肉体と正直な心を親から受けついだと思われる,ごく平凡な人間である.
Y君は現在,私の血液内科病棟を1人で受け持って,手ぎわよくさばき,実に模範的なPOSチャートを記録し,能率のよい診療をして多くの患者に健康な体を回復させ,感謝されている.R子さんは遠い町にある歯科大学を今年卒業して,現在は母校で基礎的な学問にいそしんでいる.私からPOSの話を聞き,学生時代に患者のチャートを要領よく書いていたので,先生方から誤って「頭のよい子」のなかに分類してもらっていたという.
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