一頁評論
救急医療に思う
堀口 銀二郎
1
1堀口整形外科病院
pp.64
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205830
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最近,自動車事故やガス事故が激増するにつれ,救急医療がやかましく論議されるようになった.政府は昭和38年消防法を改正して,救急業務を取り扱うことを義務づけ,さらに昭和39年厚生省令を公布し,「救急病院」を告示して救急医療を担当させることとした.
その後若干の改正が行われているが,ただ救急隊の装備や隊員の権限などが強化されただけであり,これだけの法的措置ですべてが円滑に運ぶだろうというのは,官僚の考え方である.実際医療面を担当する末端の病院には,幾多の困難な問題が山積している.そのしわよせられた困難に喘ぎながら,その犠牲を「もろ」に蒙っているのは末端病院である.また,国が救急医療に対して大いに期待しているはずの公立病院が,むしろそっぽをむいているどころか指定(告示)も申請しない,指定(告示)されてもそれを返上するというケースが続出しているのである.
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