小特集 POSは広がる
オープン病院の理念と一致—大分市医師会立アルメイダ病院
松本 実
1
1大分市医師会立アルメイダ病院
pp.27-31
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205818
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アルメイダ病院の構想と設立
大分市医師会立アルメイダ病院でのPOシステムの経験,その導入の動機,方法と現状と問題点について報告を求められたが,大分市医師会立アルメイダ病院の生い立ちについてご理解願えれば,POシステム導入の動機もおのずとご理解いただけると思う.
私たち開業医は,それぞれの地域の診療所や病院で地域住民の医療を担当しているが,医学の進歩とともにその診療内容も高度化し,多様化をもたらしてきた.医師は患者によって問題を与えられ,一定の時間的制約の下で問題解決にあたらなくてはならない.またこれらの医学的判断,治療については,客観的に医学的評価を受けるべきである.四六時中医療業務に忙殺されても自らの利益のためとしか理解されない,医師と患者の人間関係のそこなわれている社会情勢から,私たち開業医は医療技術の向上をはかり,家庭医としての医師と患者の良き人間関係を保ちながら医療の一貫性を保持できるような,複数主治医制の共同医療施設を持つことの必要性について,医師会内部で十分討議を尽した.その結果,昭和44年5月に,地下1階,地上6階,160床の臨床検査センターを併設したオープンシステム・大分市医師会立アルメイダ病院が誕生したのであった.
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