病院建築・43
国立医療センター
伊藤 誠
1
1千葉大学建築計画学
pp.85-90
発行日 1972年8月1日
Published Date 1972/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204743
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はじめに
国立医療センターは,国立東京第一病院の敷地に,既存建物を取り壊しつつ建設が進あられている研究・教育に主眼をおいた病院である.各方面にわたる多角的な研究部門を擁し,1,000床を越すベッドと高度の診療機能とを備え,その名のとおり,国のメディカルセンターにしようという構想のものである.
そもそも国が直接に病院を営むとするならば,相応に存在意義の明確なものでなければならない.県や市町村には望めないような内容・水準のものであってこそ,はじめて国立病院としての意味も認められるのであろう.ところが現実には必ずしもそうはなっていない.性格のはっきりした病院としては,国立がんセンターと国立小児病院のほか,ほんのいくつかが各地方で基幹病院としての役割を果たしているにすぎない.
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