病院建築・42
高層病院の意義と問題点
伊藤 誠
1
1千葉大学・建築計画学
pp.59-63
発行日 1972年7月1日
Published Date 1972/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204710
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近,病院にもようやくいくつか高層建築の例がみられるようになった.筆者自身が現に取り組んでいる国立医療センターも,地下2階・地上16階というかつてなかった高さのものである.そこで本稿では,病院の場合,どのような条件のときに高層化が必要とされ,そうすることによってどんな利点が期待でき,さらにまたそこにはいかなる問題が横たわっているか,などといったことがらについて考えてみたい.
実をいうとこのテーマは,5年ほど前の病院学会のシンポジウムに取り上げられ,筆者もそれに参加したのであったが,当時はなにぶんにもまだ机上論の域を出なかった.今あらためて,経験を通じて学んだところをも含めて,問題点を整理しておこうとするゆえんである.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.