特別寄稿
高層住宅居住の母子の行動特性とその影響
織田 正昭
1
1東京大学医学部母子保健学教室
pp.754-760
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900117
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はじめに
近年,大都市および周辺地域で,高層集合住宅が急速に増えてきております。狭い国土,人口の都市圏への集中,地価の高騰,家族形態の変化などわが国の諸事情からすれば,もはや流れとしてはある程度,自然なのかもしれません。最近の新聞や雑誌などの住宅の宣伝広告をみていますと,15階,20階,更には25階,30階といったものも目につきます。
先頃,東京都内には40階,高さ120mの超高層マンションも出現しました(建築基準法,耐震設計法などに基づく超高層住宅とは15階以上,または20階以上,高さで45m以上,または60m以上をさします)。わが国の建築技術を以ってすれば,超々高層,極超高層住宅も可能でしょう。事実,実現性は別にしても建設会社の中には高さ1000m,2000mといったびっくりするような超々高層人工居住空間のアイディアを,出しているところもあります。
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