特集 地域精神保健活動―医療の質とその周辺
精神疾患入院患者での在院期間のわずかな短期化
藤田 利治
1
1国立保健医療科学院疫学部疫学情報室
pp.102-107
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100559
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「受入れ条件が整えば退院可能」な約7万2千人の精神病床在院患者の退院・社会復帰を図ることが,社会保障審議会障害者部会精神障害分会の報告書「今後の精神保健医療福祉施策について」(平成14年12月19日)において指摘されている.精神医療における人権の確保および精神障害者の社会復帰対策が位置付けられた1987年の精神衛生法改正以来,一定の向上が図られてきているとされる.しかし,入院精神医療にかかわる在院期間や退院患者数などの統計指標に,どのような改善が現れているのであろうか.
本稿では,これらの点について筆者がこれまでに行った報告1~8)をもとに,最近のデータを加えて報告する.なお,本稿での統計資料は,厚生労働省の患者調査についての目的外使用の承認を得て推計したものである.
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