霞ガ関だより
教育病院群による医学教育
小沢 秀樹
pp.106-107
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204536
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時代の要請する医学教育
近年の医学の進展は目ざましく,これにつれて医学教育で学ぶべき医学知識は増大している.しかも,この医学知識は年々更新されるためにたえずチェックする必要がある.学術発表の情報収集につとめ,診療協議を活用するなどはかっても,医学部の中だけでの限られた病床設備と教官ではもはや必要な医学教育は果たされなくなってきている.
従来の医学教育はは議の部分が多く,臨床講義やポリクリなどでは患者に直接接する機会が少ないばかりでなく,部分的な接触でしかない.これを反省して,小グループ教育やベッドサイド教育を大幅に取り入れる必要が各方面で強調されている.また,医学教育は卒前・卒後を連けいして進められるべきであり,卒後研修の前には基礎的な臨床経験が終了していることが要求される.現行では学生教育に臨床経験はきわめて乏しく,卒前教育は大学病院のみで行なわれているため,卒後他の病院で研修する場合の連けいが考えられていない.
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