特集 病院内の防犯
犯罪の手口と防犯上のくふう—院内防犯日誌より
内藤 均
1
1聖路加国際病院
pp.27-33
発行日 1971年8月1日
Published Date 1971/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204393
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○月○日(土曜日)
午後3時ごろ,隣接しているS県N警察署の松沢・太部の2刑事が来院した.用件は2か月前の盗難事件に関する裏付け捜査である.持参した略図は正確をきわめていたので,‘この図面は’と質’問した.刑事は‘これですか,これは犯人が書いたものです.この犯人は4回もこの病院にはいったのですが,仕事は2回だけでした.仕事をしなかった1回は廊下で看護婦さんに"どちらに行かれますか"と尋ねられたので,出ばなをくじかれ,そのまま帰ったそうです’.
犯人は建物内部のことだけではなく,先生の回診時間までよく知っているとのことだ.更に犯人の供述を聞いてみると,
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