連載 病院管理フォーラム
施設管理・7
防犯のためのファシリティマネジメント(1)
小室 克夫
1
1聖路加国際病院施設環境整備課
pp.330-332
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100598
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大阪府堺市の病院で元患者が看護師の腹部に拳銃を発砲,さらに医師の右胸を包丁で刺し,自らも頸部を切って自殺を図るという事件が平成15年2月下旬に発生した.報道によれば,この元患者は平成15年1月まで同病院に入院していたが,院内のガスコンロで焼肉をするなどしたため強制的に退院させられた.この後病状が悪化し,同病院への再入院,他院への転院,転院先への紹介状の有無などのトラブルが重なってこの事件に至ったとのことである.
このように,わが国においても近年は,人命を救うことが使命であるはずの医療施設内において拳銃発砲事件が起きるようになってきた.かつてはこの種の事件は,映画のスクリーン内のことと思っていたが,世の中の経済事情も反映してか,いつまでも他人事と考えてはいられない状況になっている.
以上を踏まえ,今回は病院内で発生する犯罪というテーマで,米国の調査報告(IAHSS1),実例に基づく防犯のヒント),わが国の調査報告などを中心に述べてみたい.
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