特集 病院内の防犯
病院における防犯上のウィークポイント
石原 信吾
1
1虎の門病院事務部
pp.23-26
発行日 1971年8月1日
Published Date 1971/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204392
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
病人から物をかすめる.道義の退廃ここにきわまるといえる.しかし,いかに嘆いたところで,それが事実として存在するならしかたがない.しかも,病院はそのあり方からして,本来,盗難にはきわめて弱い体質をもっている.そのために,‘病院専門の泥棒’すら存在するという.そうなると,その本来の弱点を補い,また,専門的働きに刻処しなければならないわけで,事柄のむずかしさがいっそう痛感される.
病院に発生する犯罪は,単に盗難だけではない.最近は,各病院で痴漢が出没するという話をよく聞く.性風俗頽廃の反映であろうか.また,先日精神病院で患者が職員を殺したという事件が新聞に載っていた.つまり,殺人犯罪であるが,それはおそらく偶発的のもので,防犯という一般的問題のテーマとなるものではなかろう.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.