病院の広場
病院長と一般社会学
深瀬 邦雄
1,2,3,4,5,6
1日本外科学会
2日本脳神経外科学会
3日本精神神経学会
4日本医療法人協会
5救急病院協会
6日比谷病院
pp.21
発行日 1971年2月1日
Published Date 1971/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204230
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日本の医療法においては,病院長は必ず医師でなければならないという規定があり,医師免許のない者は院長の職につくことができない.もし将来,医学部以外の出身者で,適任な者が院長になることができるとしたら,医療行政,経済はもっと活発なものとなると思う.なぜ,こんなことを考えるかというと,学歴無用論者にはしかられるかもしれないが,小生は戦前旧制経済学部に学び戦後経済学部を卒業,その後医学部に入学し,その課程を終えた立場からのひとつの見方である.戦争中は海軍で特殊潜航艇々長として毎日‘死’を見つめつつ過ごしたことも,また医療の論理を考えるときに役だっている.
約10年前に,父の急死の後,4年の年月をかけて病院新築を行ない,8階建ての病院を建てたが,このときには,医学よりも昔勉強した経済学のほうが役だった.まず経済計両を立て,資金ぐりを作り,病院建築を実行したが,この建築中に大きな経済変動があり,経済計画というものがいかに外的な経済環境に影響をうけ,経済の貝通し予測のむずかしさを知った.
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