外科医局の午後・52
医局制度
岡崎 誠
1
1市立伊丹病院外科
pp.1736
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102407
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今,わが国の医療界における大学の医局制度が大きく変わろうとしている.今まで,わが国の主要病院における医師の人事は,ほとんどがその関連の大学の医局に握られていた.したがって,医学部を卒業すると出身大学あるいは自分の故郷の大学に戻って,自分が進みたい科に入局するのがほとんどの医師の道であった.そこで関連病院に出向し,その後は大学に戻って医学博士号を取得し(これは大学しか発行しない),関連病院の医長,部長,副院長,最終的には院長を目指す,あるいは大学に残って教授を目指す,また近辺で開業するというのが大方の医師の道であった.
ところが最近では,ご存じのように「新臨床研修制度」によって大学の医局に属さなくても有名なあるいは主要な病院に就職できるし,また逆に病院側が「私のところは大学からしか採りません」などと言っていたら,それこそ医師不足になって一変に病院が潰れかねない.病院がそれぞれの特色を打ち出し,研修医や若い医師達に魅力ある医療(学会活動なども含め)を提供しなければ医師が集まらない状態になっている.
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