ホスピタルトピックス 特殊病院
ラングーンの精神病院
岩佐 金次郎
1
1慶大神経科
pp.88-89
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202525
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羽田から,ジェット機に約8時間のれば,ビルマの国際空港ミンガラドンに着く。ここからラングーン市内へ通じるPROME ROADに沿った,TADAGALE地区に,国立精神病院がある。市域が拡張されて市内に編入されてはいるが,このへんは人家も多くはなく,村落といった感じのする風景が展けている。ひろく枝を張ったミモザの大木が両側に植えられている街道から,病院の色あせた高い煉瓦塀が見わたせる。
正門の鉄扉は,患者との面会時刻以外は,閉じられている。面会時刻以外に門の扉が閉じられるのは,この地の病院では,いわば規則になっていて,精神病院だけではない。面会は,午後の数時間に限られている。この頃になると,開扉を待つ人びとが群がり,煙草,菓子類,歯磨,石けんなどを,小さな箱にならべた露店が開き始める。
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