Japanese
English
解説
老人保健法とリハビリテーション
Law for the Health of the Aged and Rehabilitation.
今田 拓
1
Hiraku Imada
1
1宮城県拓杏園
1Takkoen, Sendai.
キーワード:
老人保健
,
地域リハビリテーション
Keyword:
老人保健
,
地域リハビリテーション
pp.943-946
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104838
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はじめに
老人保健法は去る8月10日の衆議院本会議において可決,成立し,昭和58年2月から実施されることになった.
この法案は,昭和56年5月,第94国会に提出されてから1年以上の審議経過があった.その間に衆参両議院の社労委員会において,いくつかの修正や附帯決議がつけられ,原案は大幅な改正をみているとはいうものの,本質的には,3本柱といわれる医療費抑制と,各医療保険ファンドの財政調整,そして狭義の医療以外の保健事業についての枠組を作ったことになり,その構成は原案からそれほど変更されていないように思られる.このことを振返ってみると,行政側から提出される原案の重みと,深刻な財政危機の影響を改めて強く感ぜざるを得ないのである.
老人保健法の成立は,ある意味で,わが国の保健医療制度の大きな転換を示唆するものであり,保健事業における医療においては,出来高払い制が確保されたが,医療以外の保健事業においては,全く別の費用負担制度が生れることになり,特に老人の地域リハビリテーションに関係している者にとっては,強い関心を持たざるを得ない内容がもり込まれている.
法成立の現時点では,まだ細部の扱いについて,結論が出ておらず,今後の通達によって示されてくると思われるが,リハビリテーションを担当する立場からこの法の構造を分析し,招来されるいくつかの問題点を提示しておきたいと思うのである.
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