特集 病院と医師の修練
インターン,レジデントコースの評価
聖路加国際病院の場合
上級医師,レシデント,インターンの綿密な指導関係をつくる
日野原 重明
1
1聖路加国際病院内科
pp.51-55
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203361
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まえがき
聖路加国際病院は,1902年にDr. Rudolf B. Teuslerによって創設され,1933年に現在の本館の主要部分が建てられ,戦後は米軍に接収されたが,接収解除後未完成の外来診療部と病棟の一部が新たに追加建築されて,1961年には全館が完成した。現在369床をもつ総合病院であるが,当院は医師による診療業務と,医師以外の医療従事者(paramedical)の診療補助業務や,事務部門などが有機的に統合された組織医療としての病院医療の特色をあげることに今日まで努力してきた。同時にまた,医学校卒業後の医師の修練のための教育を早くから始め,その充実につとめて今日に至っている。
日本でインターン制度が実施されたのは戦後すなわち昭和20年以来のことであるが,当院では日支事変前から臨床修練制度が始められ,医学部卒業後の医師は病院の宿舎に泊り込んで実地研修を受けたのである。その頃Teusler院長は,卒業後医学教育に強い関心を持たれた現院長橋本寛敏博士に教育の責任を委ねられたようである。
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